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今月の虫たち
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     先日のこと、ドクダミを引っこ抜いて柔らかくなった地面を、せわしなく歩くハチがいます。しきりと触角で地面をさわりながら、足早に地面を歩き回るのです。2センチくらいで、羽は閉じたまま。ハチにしては胴体のくびれのないずんぐりとした体形です。どうやら、ヒメハラナガツチバチです。

     しばらく歩き回ってから、急に狙いを定めたように足で地面を掘り始め、頭からどんどん潜っていきます。ものの20秒くらいですっかり見えないくらい潜ってしまいました。柔らかくなっているとはいえ、早いのにびっくりです。数分後、どこかそのあたりから出てきて、また地面をうろうろしはじめました。

     まだ抜いていないドクダミのほうにやってくるので、つぶしてしまってはかわいそうと手で追い払っても、しつこくやってきます。ハチですが人を刺すことはありません。

     動画を撮ったものの、写りが悪いので、ポプラ社ポプラディア「昆虫」の写真を拝借します。

     

     

     ハチについては誤解が多いと思います。人を刺すハチは、大きな巣を作り集団生活する、ごく一部のハチで、その他の単独行動のハチは刺したりしません。また、ハチは地上生活が多いような気がしますが、アリの仲間なので、地中に巣を作る、アナバチ、クロスズメバチなど、地面を掘るのが得意な種類もいます。

     ツチバチは、初期のカリウドバチとされています。匂いで、地中のコガネムシの幼虫を探して、あたりをつけて地面に潜ると、毒針で動けなくしておいて卵を産み付ける。生まれた幼虫は、麻酔されて生きているコガネムシの幼虫を食べて大きくなり、成虫になって土の中から出てくるのです。

     コガネムシの幼虫は、植物の根っこを食べて育ち、成虫になると、いろんな葉っぱを食害する大害虫です。それにしても、コガネムシの幼虫は自分と同じくらい大きいし力も強い。頭から潜っていって、土の中で体をひっくりかえして、コガネムシの神経系をさぐりあて、一発で麻酔を決めるワザに感心します。真っ暗な土の中で、どうやってわかるのでしょうか、不思議です。ハチの潜ったあたりを掘ってみましたが、コガネムシの幼虫は見つけられませんでした。

     卵を産みっぱなしで、巣を作らないので、より原始的なハチだとされます。ドロバチや、カリュウドバチなどは、巣の中に麻酔した獲物をたくわえて、卵を産み付けます。その他の寄生バチもそうですが、生まれた幼虫は、獲物を殺さないように、最後まで生かして、新鮮なまま食べつくすのです。食べる順番は決まっていて、内臓や神経系を傷つけないようにします。これもすごいワザですね。寄生バチにいたっては、寄生している芋虫は普通に生活していて、でも体の中は食い尽くされて、ハチが体を食い破って出てくるまで、生かされているのです。

     

     もうひとつ、虫の話です。

     ツバキの枝が、なんだかちょっとヘンなのです。葉っぱのない枝が、ちょっと斜めについています。トビモンオオエダシャクという、尺取虫の最大のやつで、10センチ弱あります。尺取虫は、シャクガの幼虫の総称です。頭のすぐ下と、最後尾に数対のかぎづめがあり、最後尾の爪で枝を擬態してまっすぐに伸びているのです。農家のおぢさんが枝かと思って土瓶をかけたら、くねっと折れて土瓶が割れたので、「土瓶割」とも言います。

     それにしても、全身筋肉、すごい体幹です。さわると、こりこりに硬い。歩くときは、頭をびよーんとのばして四方を探り、着地点を見つけると口の下のかぎづめで頭を固定し、体の後ろを丸めて頭の裏に持ってくる。これを繰り返して進むので、けっこう距離が稼げます。

     

    これは、ムシです

     

    これは、ネコです

     

     

    それにしてもこの顔!どうみてもネコですね。

    本名が長いので、ネコシャクと呼んでiいます。見かけるとつい、頭をなでてやりたくなります。

     

    文責・藤本邦彦

     

    | 生きもの | 23:07 | comments(0) | - |
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