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キンモクセイの香り
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    『初恋の少女少年金木犀』

    甲田夏湖さん200105発表の句です。

     

     甲田さんはあいにく一面識もありません。歳時記で検索して読んだキンモクセイの句でいちばんいいなあと思いましたので、勝手に引用させていただきます。キンモクセイの香りはトイレの芳香剤だなんてくさす向きもありますが、私はキンモクセイの香りをかぐとなんだか胃のあたりがくーっとなる感覚があって、そのような覚えがないけれどこの句に一票入れさせていただきました。ジジイが何を言ってんだと、お叱りをいただきそうですが。

     それにしても、今年はキンモクセイがいっかな咲こうとしません。いったいどうしたことでしょう?いつもなら9月初旬に咲き始め、せいぜい1週間くらいであっという間に終わってしまうのですが、今年はまだつぼみがやっと開き始めたくらいです。一ヶ月以上遅い。写真は10月13日の東久留米市のキンモクセイです。

     

     

     キンモクセイは平安時代くらいに中国から輸入されたのではといわれます。中国酒に「桂花陳酒」というキンモクセイの花を漬け込んだものがあるくらいです。雌雄異株といってオスメスのある木で、日本にはオスの木しかないそうです。それで実がつかない。兄弟分のギンモクセイは、葉っぱがそっくりで枝はもっと粗く混み合いません、花の形は同じなのに白いのでギンモクセイです。香りは弱いが、メスの木はネズミモチに似た楕円形で緑色の数ミリの実をつけます。

     これの葉っぱに、鋸歯といってギザギザを付けたものがヒイラギモクセイです、花は白でキンモクセイに近い樹形です。ただこれは、キンモクセイが害虫のほとんど付かないのに比べ、テントウミノハムシという害虫が大発生して食いつくされます。

     いまは10月も中旬、落葉樹はもうけっこう葉を落とし始めているのにまったく紅葉の気配がありませんね。ヒガンバナも彼岸の頃には満開を過ぎているのに、なんだか今年はとても遅くしょぼい感じがしました。

     このように植物の花や、発生を見て季節を感じることを「植物季節」といいます。植物季節から言っても体感からしても、どうも今年は秋が遅いのではないかという気がするのです。いつまでたっても夏のように暑い。きのうもまた季節外れの超大型台風が関東を直撃。いつまでも夏を引きずっているのです。どうやら日本は熱帯化しているに違いありません。近年中に四季がなくなって、夏と春だけになってしまいそうです。

     たまにラーメン屋さんなんかで「春夏冬」っていうのれんを見かけます。「秋」がないので「商い中」というシャレですね。「商いは、牛のよだれ」なんてことわざもあります。あまりきれいな感じがしませんが、牛は反芻のために終日口をもぐもぐしてよだれをたらしているように、商いはやり続けなければいけないよ、という戒めですね。「商いは=飽きない」であるなんていう、くさいビジネス格言もあります。コンビニの店長さんは大変ですよね。飽きないで店を開け続けなければならない。

     日本は「秋ない国」になりつつあります。

     私は個人的な意見として、東京オリンピックは大反対ですが、いまさら中止にできないならせめて11月開催くらいにしないと、猛暑と台風で大混乱になると思うのです。そもそも夏の開催がどうやら、アメリカの巨大な「商い」の都合らしいですね。飽きないためには、ある程度仕事が楽しくなくてはと思います。

     なんだかどうでもいい方向に、話がずれてしまいました。

     失礼しました

     

    文責・藤本邦彦

     

     

     

     

    | - | 07:12 | comments(0) | - |
    外した「虫展」
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       台風明けの月曜日、乃木坂を目指しました。いえいえ、アイドルの追っかけではありません。田舎者のオヂサンは、どうも都心の西側に行くといまだに緊張してしまいます。

       まずは、イラスト専門のギャラリーとしてトップを独走している青山のピンポイント・ギャラリーにごあいさつ。移転オープンしたばかりで、すばらしい建物になっています。いまは荒井良二展をやってます。社長の西須由紀さんはとても気さくなお人柄。女手一つで創業、いまはお嬢さんをしっかり後継に育てたご様子。ご苦労も多いだろうと思いますが頑張っています。

       青山墓地を通って乃木坂まで歩きました。台風でところどころ墓石を倒している倒木も見受けられます。東村山は大したことがなかったけれど、海沿い、特に千葉県の被害は甚大で、衷心より御見舞い申し上げます。

       私は車で移動することが多いので、移動中ラジオを聴きます。金曜日18時30分は、東京エフエム、ピーター・バラカンさんがいろんなゲストに話を聴く「ライフスタイル・ミュージアム」を楽しみにしています。そこで先月、デザイナーの佐藤卓さんが登場、館長として数年あたためた企画「虫展」を紹介しておられました。「自然はデザインのお手本であり、デザインは自然の模倣にすぎない」ことが本展のテーマ、私どもの仕事もまさに小スケールの自然をどう作るかがテーマであります。これは何が何でも行かねばと思ったのであります。それで柄にもなく、乃木坂なのでありました。東京ミッドタウン内の、21_21デザインサイト。田舎者は足が震える。

       

       

       地下に降りるといきなり、数メーターのゾウムシの足の超拡大模型。側面にはびっしり毛が生えていて、つま先の構造がとても繊細なつくりになっているのに感心。次の部屋は暗室の中で、ゾウムシの巨大画像。重戦車のような硬くでこぼこした質感は迫力でした。

       トビゲラの幼虫は水棲で、いろんな素材でミノムシのような巣を身にまとうのです。その構造を別の物に置き換えて拡大した模型が数点。これは新国立競技場で有名な、隈研吾氏の作品です。

       いちばん興味深かったのは、いろんな虫が飛ぶ、跳ぶ瞬間を集めた画像。甲虫は硬い羽を二つに割って押し上げると、中に折りたたまれた半透明で薄い羽を一瞬で開いて空中に飛翔するのです。カブトムシの重そうな巨体が、薄い羽で軽々と持ち上がるのが驚異的で、数回繰り返し見入っていました。

       監修は、解剖学者で虫屋でもあるかの養老孟司先生。養老語録が会場のあちこちに貼ってある。虫がすごいのは、空を飛び回り、危険を回避し、食べ物を探し出して子孫を残す。それをあのちっぽけな体でやっていることですね。それと形と色と生態の多様性。幼虫から成虫への、信じがたい変容。

       

       とはいえ、とはいえですが、どうもそれほど入り込めなかった。仕事で日常的にであう虫というもの、もっと泥臭くて、痛かったり、かゆかったり、びっくりしたりするものですが、なんだか展示がみな観念的デザインに見えてしまうのです。養老先生の物言いも、「バカの壁」がそうだったように、頭のいい人の上から目線を感じてしまうのです。

       田舎者のひがみでしょうか?あまり楽しめなかった。

       

      文責・藤本邦彦

       

       

       

       

      | 生きもの | 08:05 | comments(0) | - |
      秋の音色、バンドネオン
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         映画「イル・ポスティーノ」は、私の好きな映画ベストのひとつです。

         1950年代、チリのノーベル賞詩人パプロ・ネルーダが、祖国の弾圧を逃れイタリア、ナポリ湾の小島に身を寄せた史実を脚色したストーリーです。

         マッシモ・トロイージ演ずる島の青年マリオは漁師をつぐのを嫌がり、山の上に寄宿したネルーダに世界中から届く郵便物を配達することを引き受けます。内気で不器用だが誠実なマリオはネルーダに気に入られ、親子ほどの年の差を超えて友人として文学を教わり詩に目覚めます。島に一軒しかないバルの娘ベアトリーチェにぞっこんのマリオは、自作の賛歌を朗読することで、この美女の愛を得るのです。

         逮捕状のとけたネルーダは、半年ほどでチリに帰国。数年後島のバルを再訪したネルーダは5歳になるマリオの一人形見に会います。マリオは参加したデモの暴動で亡くなっていたのです。ネルーダは海辺で一人涙ぐむのでした。

         文学や詩というものは生活に役に立たないとされながら実は、人生の道筋を決定づける実学なのだということが、この映画のメッセージではないでしょうか。

         主演で、脚本にも関わったマッシモ・トロイージはこの映画の撮影完了直後に41歳で亡くなりました。心臓の持病をかかえながら自転車で山に駆け上がる撮影に望んだのです。映画は主演脚本でアカデミー賞を受賞、トロイージの代表作になりました。

          アカデミー音楽賞を受賞したサントラは、ルイス・バカロフというアルゼンチン出身、イタリアで活躍した大御所です。バンドネオンを主旋律にした哀愁あふれる音楽で胸にしみます。

         

         

         話は変わります。先日「イル・ポスティーノ」のテーマ曲のバンドネオン独奏生演奏を目の前で聞いてきました。私の友人、大久保かおりさんのソロライブが東村山であったのです。演奏はすばらしかったけど残念だったのは、映画の説明がちょっと的外れだったのと、私がビデオを貸してこの映画を紹介したことを、彼女はすっかり忘れているらしいことです。

         大久保かおりさんは不思議な人です。年齢も時に性別も不詳。初めて会ったのは10年ほど前、小金井のレストランでライターの松井一恵さんの出版記念会に呼ばれた時です。小金井駅を降りると、極ショートカットで細身やや丈短の黒ズボンに黒いシャツ、黒い大きなカバンを下げて前を歩く人がずっと同じ方向に向かうと思いきや会場に入っていくのでびっくり。何をやる人なんだと思っていると、バンドネオンの生演奏が始まるので、なおびっくり。初めてのバンドネオンの音質にすっかり魅了されました。もちろん私より年下ですが、尊敬と親しみを込めて「かおのあねさん」と呼ばせていただいています。

          バンドネオンという楽器は、19世紀に発明され西欧で広く使われているコンサルティーナをもとに約20年後にドイツのバンドさんが発明しました。左右の操作盤の間の蛇腹を開閉して、リードに空気を送って音を出す構造です。アコーディオンはコンサルティーナをより演奏しやすく、まったく別方向に発展させた楽器ですが、バンドネオンはより音域を広く大音量がでるよう、独奏楽器としてガラパゴス的に発展させたものです。左右で90個近いボタンは配列になんの法則性もなく、蛇腹の押し引きで音階がちがうため、ボタン配列を覚えるだけで「神経衰弱を4回完璧にこなすような」(大久保さん談)悪魔の楽器といわれるくらい演奏の難しい楽器だそうです。バンドさんは発明まもなく亡くなってしまい開発の真意は不明ながら、誰にも弾けない楽器を作りたかったのではといううわさもあります。

         その後海を渡ってアルゼンチンタンゴで、スタッカート演奏ができる楽器として使われていましたが、天才アストル・ピアソラの登場でタンゴ以外の音楽ジャンルにバンドネオンが一気に広がったのです。

         大久保さんの演奏を間近で見ていると、音質が暖かく哀しげで、せわしなく蛇腹を閉じて、その時の空気抜きのシュッという音が声楽の息継ぎのようでとても人間的な感じを与えます。奏者でちがうけど、圧縮する音のほうがくぐもって抑圧的、引く音は伸びがあるそうで蛇腹を開いて演奏することが多いらしい。大久保さんはアストル・ピアソラ同様、バンドネオンの新しい可能性をずっと追求しています。

         最近、あねさんがJCOMの番組でインタビューを受けました。ぜひ、ご覧になってください。

         

        https://www.youtube.com/watch?v=t3yj_nC7NrM

         

        文責・藤本邦彦

         

         

         

         

        | 音楽 | 23:01 | comments(0) | - |
        「季語百話」高橋睦郎著
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           久しぶりに、すばらしい本に出合いました。

           高橋睦郎著 中公新書 「季語百話 花をひろう」です。

           

           

           「もとより暦は稲作とともに大陸から輸入され、国家による国民の統制のために、根強く浸透させられたもので、中国内陸部の気候に合わせた暦は、日本の風土とは異なっている。そこでかえって日本の祖先は季節に対して、師匠の中国人より季節に過敏になったのではないか。

           中国渡来の花は、菊、梅だったがやがて日本人は、自前の桜をめでるようになった。それから様々な草木の花、そこに寄ってくる鳥獣虫魚、そして人間にも目を向けるようになったのだ。

           季語というもの、和歌や俳句という日本の短詩に欠かせない。日本は温暖で四季が明確で、日本人は四季に敏感だとされる。だが本当だろうか?自然破壊のすすむ現在、季語は私たちが日本人であること、いや、人間であること、生物の一員であることの最後の砦である」

           

           前書きでこんなことをおっしゃっています。

           春、夏、秋、冬、新年に分けて百の季語を取り上げています。

           一項目につき季語の解説と、万葉集など先人の和歌から俳句の紹介。新書の見開き2ページ、あっという間に読めそうな千字足らずのなかに、近現代詩、漢詩、西洋文学、ギリシア神話、東洋史、植物、昆虫学、民俗学、民族学までをも視野に収める博覧強記にただ感服します。アンソロジーなのですぐに読めそうなのに、和歌の古語がなかなか読みくだせないのとその奥深さに、読破に時間がかかってしまいました。

           

           極めつけは、新年の項の「餅」。

          「花に飾りの意味があるならば、正月の花の代表は鏡餅ではあるまいか。一説に鏡餅のモチは望月のモチともいう。そして色は雪白。ということは、一つに月・雪・花を兼ねているということである。これを花の中の花といわず、何といおう」

           

           いや。恐れ入りました。鏡餅もが花であるとは!!

           「花は、植物は、すべての生命、さらに非生命、無を含めたありとあらゆるものは美しい。その美を讃えるために、季語はある。そして、季語の代表は、いみじくも能楽の大成者世阿弥が美の最高の境地を花の一語で示したように、花なのである」

           

           著者はただの詩人ではないです。

           先生に触発されて、ちゃんと読まなくてはと誓ったもの、朔太郎、犀星、万葉集、雨月物語などなど。

           ちゃんと読んでないもののなんと多すぎる事か・・・いまから取り返しはつかないと思いますが、がんばってみます。

           

          文責・藤本邦彦

           

           

           

          | 映画・本 | 21:36 | comments(2) | - |
          新人ごあいさつと、暑中お見舞い
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            暑中お見舞い申し上げます。

             セミの生活史はとても不思議です。

             メスのセミは、キリのような産卵管で枯れ木や樹皮のコルク層に穴をあけて産卵します。翌年の梅雨時に孵化した幼虫は地面に潜ります。地下生活は地上より安全とはいえ、モグラに食べられたり冬虫夏草の菌に寄生されたり試練は様々あります。

             昆虫の中でとりわけ長い幼虫期を土の中で過ごすことが特徴です。アブラゼミで6年前後、アメリカには17年ゼミという種類もいます。長いながい間、木の根の樹液を吸って地中で成長した幼虫は、地表に数ミリの穴をあけると木にはい上がり、暗いうちに羽化して成虫になります。この抜け殻が空蝉(うつせみ)です。古代人は地下から出てくる虫に再生や不死を、空蝉にもののあわれを感じました。

            地上に出たセミは、トリやハチ、子供の捕虫網などをかわしながら、子孫を残すためにあらん限りの声で鳴いて、夏の終わりまでの数週間を懸命に生きるのです。蝉しぐれは盛夏の到来を教えてくれます。

             長い梅雨があけたと思ったら、突然猛暑がやってきました。みなさま体調管理にくれぐれもご留意ください。

             

            Illustration©YU-KO/OGAWA

             

             ところで、宍戸康介(ししどこうすけ)が新人として仲間入りいたしました。

            昨年暮れからのアルバイトでの働きっぷりがなかなか真剣な仕事ぶりでモノになりそうなので、大学の専攻とは異ジャンルではありますが、来てもらうことになりました。たいへん遅ればせながら本人よりご挨拶申し上げます。お引き立てのほどよろしくお願いいたします。

             

             「皆さまはじめまして、4月からアルテ造園に入りました、宍戸康介です。3月までは大学で小学校の教員になるための勉強をしていましたが、植物と植木屋という職業の魅力に惹かれこの世界に入りました。

             さて、アルテ造園に入って約4ヶ月、私は人生で初めての経験をしました。蜂に刺されたのです。今まで刺されたことがなかったのですが1週間で3箇所も刺され、自然界の洗礼を受けました…。もし見つけても、むやみに刺激をしてはいけません!皆さまも蜂の巣には十分気をつけてください!

             職人としても社会人としてもまだまだ半人前ですが、日々精進して参りたいと思います。

            皆さま今後ともよろしくお願い致します」

             

            2019年盛夏 アルテ造園

            藤本邦彦・小川祐子・神田竜平

            森井未央・名和田俊二・宍戸康介

             

            | 生きもの | 20:46 | comments(0) | - |
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